「カラマーゾフの兄弟」読み始め

これって最近話題の新訳なのか旧訳版なのか? 買ってしまってから気になったけれど、どうやら旧訳らしい。評判通りの面白さなら新訳版も読んでみたくなるかもしれないし、まあいいか。どちらにせよ原著でないことに変わりはないのだし。
久しぶりに文学ど真ん中な作品を読むが、物語に深みを与えるのはやはり人物の性格の複雑さなのだと感じる。人物が出揃ってから教会でほんの数時間を過ごしたのみで、物語はまだほとんど始まってもいないのだが引き込まれる。構造化されたプログラムソースと同じように、クラス定義に必要なすべてが書かれていれば、わずかな出来事でも登場人物にメッセージが渡り、彼らの心の中の相互作用が物語を展開させてゆく。ましてその定義には矛盾が許されているのだ。