クマガイモリカズ

池袋にほど近い所にある熊谷守一美術館に行ってきた。娘さんの熊谷榧さんが館長をしているというのは知らずに行ったのだが、何やら凛とした雰囲気のある老婦人を大学生のアルバイトと思しきスタッフの女の子がカヤさん、カヤさんと呼ぶのですぐに熊谷榧その人なのだとわかった。作品の解説もそのカヤさんが付けている様だが娘さんだけあって作品に遠慮がなく、とある壺の解説など「モリは焼物はやらなかったが頼まれて絵付けをすることがあった。もう少しましな壺に、とは思うが。」といった風なことが書いてあり吹いた。守一の絵からも気骨とユーモアが滲み出ているが、娘さんにもそれが受け継がれているらしい。
ちょうど埼玉で回顧展が開かれている関係で守一の作品がそっちに行ってしまっているのか、3階は榧さんの作品展示になっていた。守一を見るという意味ではタイミングが悪かったかもしれないが、思いもかけず娘さんの作品を見られたという意味では逆によかった。行きやすい所にある美術館なので又行けば良い話だ。
1Fがカフェになっているので見終わった後にしばし一服。横でカヤさんとスタッフの女の子二人がおしゃべりしながら何やら事務っぽい作業をしていて、その内容に私まで密かにクスクス笑いながらGEBを取り出して読んでいた。静かな雰囲気だったので読書もはかどり、これで12章まで読んだ。