Emacs, HTML+CSSを愛する人が書いたWord入門書

どんなに Word が嫌いでも、Word で書くのがベストな時は Word を使うべきだ。そう頭ではわかっていてもすぐには使いこなせず、独学で身に付けるには愛が足りず、書籍はスクリーンショットだらけの極端な初心者本ばかり、会社でもなぜか皆 Excel 方眼紙を使っていて、使い方知ってる協力会社さんには訊けるわけない。そんな Word で大量に設計文書を書かねばならなくなったので、さっさと身につけてしまおうと思って買った本がコレ。

エンジニアのためのWord再入門講座 美しくメンテナンス性の高い開発ドキュメントの作り方

エンジニアのためのWord再入門講座 美しくメンテナンス性の高い開発ドキュメントの作り方

買ってから気付いたが著者が「Emacs辞典」と同じ人なので、この人の本は2冊目だった。技術指向のプログラマが Word 覚えようとするなら、この本がベストではないか、というのが読んだ感想。以下、良いと思った点を列挙。

  • 190ページという薄さがイイ
  • Microsoft に追従しない地味な装丁がイイ。人に見られてもそんなに恥ずかしくない
  • バージョン 2003 と 2007 が対象
  • スクリーンショットはほとんどが設定ダイアログで必要にして十分
  • オススメ初期設定に一章割いている。アプローチがいかにも Emacs 使いらしい
  • 「HTML は文書の構造と内容、CSS で見た目」と同じアプローチで Word を使うべき、という主張がよくわかる
  • Word を褒めているわけではなく、普及しているから使うのだという冷静な姿勢
  • 「スタイル設定のインタフェイスは複雑怪奇です」「箇条書きの苦悩」といった記述があり色々と溜飲が下がる
  • Word の本なのに DRY がキーワードとして出てくる

ただ、この本一冊で大幅にWordリテラシが向上したとはいえ、格闘しなければならない既存設計文書はスタイル指向で書かれていないorz それを全部直す余力もないので、即戦力にはならなかったのが残念。

Emacs 辞典 (DESKTOP REFERENCE)

Emacs 辞典 (DESKTOP REFERENCE)